恋の雨が降るとき 〜クールな外科医は甘く囁く~
さらりと言う。
けれど、その自己分析はかなり正確だった。
幸子は思わず苦笑する。

「……少しだけ」

「でしょうね」

即答だった。
そのやり取りが、どこかおかしくて、二人の間に小さく笑いが落ちる。
やがて幸子は、そっと姿勢を正した。

「今日は……結婚式のことを相談したくて」

その言葉に、智代の視線が静かに向けられる。

「克樹さんから、“好きにしていい”って言われたんです」

「ええ。あの子らしいわね」

「でも……私、わからないことばかりで」

幸子は、正直に言葉を続ける。

「先生の立場を考えると、式の規模も……。普通の結婚式とは、きっと違いますよね」

その言葉に、智代はしばらく幸子を見つめていた。
値踏みするような目ではない。
ちゃんと、話を聞いている目だった。

幸子は、ゆっくり息を吸う。

「だから……教えて頂けたらと思って……」

その言葉が落ちた瞬間だった。

智代の表情が、驚きに変わる。
けれど同時に、どこか嬉しそうだった。
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