恋の雨が降るとき 〜クールな外科医は甘く囁く~
振り返った瞬間、不意に距離の近さを意識してしまい、幸子の鼓動が跳ねた。
そして次の瞬間、視界の端に入った“ひとつの大きなベッド”。
途端に、顔が熱くなる。
「……幸子」
耳元で聞こえる艶のある声。
幸子の心臓が、大きく跳ねた。
その瞬間、波の音だけが静かに響いた。
松澤の手が、そっと幸子の頬を撫でる。
そして、耳元で囁く。
「愛してる」
その声が、ひどく甘く聞こえて、幸子の胸が大きく揺れた。
熱を持ったように頬があつくなる。
けれど、もう逃げたいとは思わなかった。
ゆっくりと顔を上げる。
すぐ近くにある松澤の瞳は、静かで、けれど隠しきれない熱を宿していた。
「……克樹さん」
名前を呼ぶ声が、自分でもわかるほど震えている。