想い出はいつも雨
★☆☆★
○道

前原修治(18)と竹中信也(18)が雨の中、傘を差さないで走っている。

信也「いきなりだもんな。天気予報じゃ、晴れだって言ってたのに」

修治「信也、俺ちょっと図書館に寄って行くから」

信也「図書館、分かった。俺は先帰るぞ」

修治、図書館の前で立ち止まる。

信也「じゃあ、また明日な」

修治「ああ」

修治、図書館の入り口まで行き、中の様子をうかがう。

図書館にはあまり人はいない。

修治、図書館に入る。

○図書館

修治、誰かを探すように辺りを見渡す。

修治のもとに安田かおり(27)が来る。

かおり「よおっ、修治。こんなに雨に濡れて何か用?」

修治「何か用って当たり前でしょ。図書館に は用がなかったら来ないですよ」

かおり「ふーん、そっか」

修治、かおりに気付かれないように辺りを見渡す。

かおり「誰探してるの?美咲?美咲なら向こうにいるよ」

修治「そんなんじゃないですよ」
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