総長は、私にだけ甘すぎる。
校門を出た瞬間。

空気が変わった気がした。

車の音。

風の匂い。

なのに、その全部の中に“違和感”が混ざっている。

――見られている。

そんな感覚。

「……気のせいだよね」

そう呟いたときだった。

「来るなって書いただろ」

低い声。

背後からだった。
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