総長は、私にだけ甘すぎる。
「ち、違います!通りすがりで……!」

必死に手を振る。

だけど次の瞬間。

彼は一瞬で距離を詰めてきた。

「っ……!」

気づいたときには、壁に追い詰められていた。

息が止まりそうなほど近い距離。

暗闇の中で見えたその目は、冷たいのに、なぜか目を逸らせない。

「ここがどこか分かって入ったのか」

「し、知らなくて……ただの近道で……!」

声が震える。

怖い。
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