総長は、私にだけ甘すぎる。
そのとき後ろから声がした。

「総長、その女どうしますか?」

倒れていたはずの男たちとは違う、新しい気配。

私は一気に現実に引き戻される。

――やっぱり、終わりだ。

そう思った瞬間。

「手を出すな」

低く、静かな声。

それだけで空気が変わった。

周囲の男たちが一瞬で黙る。
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