恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
プロローグ 不愛想なフライトドクター
ブロロロロ――。
プロペラ音の響くドクターヘリの中には、緊迫感が漂っている。
私、守山詩音はナース席に座り、救急隊から患者を引き継ぐ場所であるランデブーポイントに着くその時を待った。
患者の詳しい情報はまだわからない。
工場で機械に挟まれた成人男性。脚に怪我。
今わかっていることは、それだけだ。
斜め前のドクター席に座る宇田川龍臣先生は、我が『静和大学附属病院救急救命センター』――通称『ベイショアER』の救急医だ。
紺色のフライトスーツに身を包んだ彼は今、じっと窓の外を見つめている。
その横顔は端麗だ。すっと通った鼻筋も、くっきりとした二重も、驚くほど整っている。
だからといって、彼は女性に騒がれる存在ではない。口数が少なくいつもむすっとしているため、怖い雰囲気があるのだ。
それに加えて、彼はある事情から我が病院内では疎まれている。
しかし、腕だけは確かだ。
きっと今も、これから処置を行うだろう患者に気持ちを集中させているのだろう。
私も雑念を振り払い、気持ちを集中させようと窓の外に目を向けた。
工場地帯の向こうには、太平洋が広がっている。
きらきらと輝く水面には、白い波が筋のように立って見えた。今日は風が強いそうだ。
プロペラ音の響くドクターヘリの中には、緊迫感が漂っている。
私、守山詩音はナース席に座り、救急隊から患者を引き継ぐ場所であるランデブーポイントに着くその時を待った。
患者の詳しい情報はまだわからない。
工場で機械に挟まれた成人男性。脚に怪我。
今わかっていることは、それだけだ。
斜め前のドクター席に座る宇田川龍臣先生は、我が『静和大学附属病院救急救命センター』――通称『ベイショアER』の救急医だ。
紺色のフライトスーツに身を包んだ彼は今、じっと窓の外を見つめている。
その横顔は端麗だ。すっと通った鼻筋も、くっきりとした二重も、驚くほど整っている。
だからといって、彼は女性に騒がれる存在ではない。口数が少なくいつもむすっとしているため、怖い雰囲気があるのだ。
それに加えて、彼はある事情から我が病院内では疎まれている。
しかし、腕だけは確かだ。
きっと今も、これから処置を行うだろう患者に気持ちを集中させているのだろう。
私も雑念を振り払い、気持ちを集中させようと窓の外に目を向けた。
工場地帯の向こうには、太平洋が広がっている。
きらきらと輝く水面には、白い波が筋のように立って見えた。今日は風が強いそうだ。
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