恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
「行こうか」
彼はそう言うと、自身の左手でそっと私の右手をとる。
「え、あの、これ……」
そのまま病院内に向かって歩き出しそうな彼の手を、私は思わず引いた。
「これから夫婦になるんだ。このくらい、普通だろう」
彼は淡々とそう言う。だけど彼の手は大きく節くれ立っていて、どうしてもそこに男性を意識してしまう。
これは、ただの演技。これから祖母に結婚の挨拶をしに行くから、怪しまれないようにするためのもので、他に意味はない。
私は高鳴ってしまいそうになる鼓動にそう言い聞かせ、彼に手を引かれながら病院内へと足を踏み入れた。
ナースステーションで面会の受付をする。
看護師たちの驚きの視線が刺さったが、宇田川先生は淡々と祖母の病室へ向かった。だから私もそれを気にしないようにして、病院の廊下を歩く。
「おばあちゃん」
病室の扉を開け、奥に声をかける。祖母はベッドの上で起き上がり、窓の外を見ていた。
だが私の声に気がつくと、こちらに笑顔を向ける。
「個室って退屈ね。話し相手がいなくて、嫌になっちゃう」
祖母はどうやら、私たちと話がしたくて仕方ないようだ。
しかし次の瞬間、祖母は黙ってしまった。隣にいる彼に視線を向けて、目をきらきらさせている。
祖母は面食いだ。テレビで人気俳優を見ると、キャッキャウフフとはしゃぐ。
宇田川先生も顔はいい。性格を知らなければ、かっこいいと思うのだろう。
彼はそう言うと、自身の左手でそっと私の右手をとる。
「え、あの、これ……」
そのまま病院内に向かって歩き出しそうな彼の手を、私は思わず引いた。
「これから夫婦になるんだ。このくらい、普通だろう」
彼は淡々とそう言う。だけど彼の手は大きく節くれ立っていて、どうしてもそこに男性を意識してしまう。
これは、ただの演技。これから祖母に結婚の挨拶をしに行くから、怪しまれないようにするためのもので、他に意味はない。
私は高鳴ってしまいそうになる鼓動にそう言い聞かせ、彼に手を引かれながら病院内へと足を踏み入れた。
ナースステーションで面会の受付をする。
看護師たちの驚きの視線が刺さったが、宇田川先生は淡々と祖母の病室へ向かった。だから私もそれを気にしないようにして、病院の廊下を歩く。
「おばあちゃん」
病室の扉を開け、奥に声をかける。祖母はベッドの上で起き上がり、窓の外を見ていた。
だが私の声に気がつくと、こちらに笑顔を向ける。
「個室って退屈ね。話し相手がいなくて、嫌になっちゃう」
祖母はどうやら、私たちと話がしたくて仕方ないようだ。
しかし次の瞬間、祖母は黙ってしまった。隣にいる彼に視線を向けて、目をきらきらさせている。
祖母は面食いだ。テレビで人気俳優を見ると、キャッキャウフフとはしゃぐ。
宇田川先生も顔はいい。性格を知らなければ、かっこいいと思うのだろう。