恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
 なにこれ、どういうこと!?

 内心パニックになりなっていると、宇田川先生に手を引かれて祖母の横へと連れて行かれた。

「あら、そうね! ふたりとも、座って座って!」

 祖母にも急かされ、ふたりで祖母のいるベッドの横の丸椅子に腰掛ける。するとすぐ、宇田川先生は優しい口調のまま口を開いた。

「すみません、時子さんが詩音のおばあ様だということは存じておりました。ですが、詩音が私を紹介してくれるまではと思って、彼女の恋人だということは伏せておりました」

 彼の言葉に、どぎまぎしてしまう。

 彼と祖母の話を整理すると、宇田川先生は私の知らないところで祖母に何度も会いに来ており、すでに信頼関係を築いていた、ということだ。

 彼との結婚は、愛のない偽装のもの。なのに、そこまでしてくれていたなんて。

 宇田川先生は、私が思っていたよりもずっと演技派だったらしい。さすが、私との結婚を提案してきただけある。

「こんなに素敵な方が詩音のお相手なら、おばあちゃんとっても嬉しいわ。優しいうえに、とっても男前」

「あはは、そうね……」

 間近で喜ぶ祖母に複雑な気持ちになってしまい、私は曖昧な笑みを返した。

「それで、早速なのですが――」

 宇田川先生は急に笑みをしまいこみ、真剣な顔をする。それから、私に目くばせをした。
 私は静かに、彼に頷き返した。ここからは、彼と示し合わせた通りに事を運ぶ。

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