恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
 つい、呆然としてしまった。

 白を基調とした家具で統一された、綺麗に整頓されたリビングが広がっていたのだ。
 中心にローテーブル、白いソファ。壁にテレビが掛かっているけれど、それ以外はなにもなく、生活感がまるでない。

 奥に見えるダイニングには四人掛けのテーブルがあるが、それも他の家具と同じように白っぽい木材でできている。
 椅子は等間隔に並べられており、まるでモデルルームのようだ。

 龍臣さんは、本当にここに住んでいるのだろうか。

 そんな疑問を抱いたが、私はぐるりと部屋を見回した後、窓の向こうを見て動きを止めてしまった。
 そこに広がる景色に、目を奪われてしまったのだ。

 東京湾と東京の街が一望できる。
 日が沈みオレンジの光を残した空の下に光を灯す東京の街は、なんだか幻想的だと思う。

「いい眺めですね」

 ついそうこぼすと、彼は歩みを止め、こちらを振り向いた。

「そうか? あんまり意識したことはない」

 だが、そう言う彼の頬は幾分緩んでいる気がする。白い長袖Tシャツという見慣れぬ私服姿だから、そんなふうに見えるのかもしれない。

「詩音の部屋は、こっちだ」

 彼は続けてそう言うと、リビングにある扉の前に私を案内してくれた。その扉の隣にも、もうひとつ扉がある。
 この家は、どうやら2LDKらしい。

「この部屋、好きに使ってくれていい」

 彼は目の前の扉を開いた。

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