恋と結婚は別物です! 偽装結婚のはずなのに、強気なナースはフライトドクターの一途な愛に溶かされる
「え、本当にいいんですか?」

 ついそう聞き返してしまったのは、そこにベッドとチェスト、机と椅子が並んでいたからだ。
 それらも白色で統一されていて、リビングとの統一感がある。

 もちろん、生活感はまるでない。彼が私のために、わざわざ用意してくれたのだろう。

 なんだか恐縮してしまう。部屋に入れずにいると、龍臣さんはそれを別の意味に受け取ってしまったらしい。

「すまない、好みを聞かずに勝手に揃えてしまった。不満があったら、今から買いに――」

「いえ、大丈夫です!」

 私は慌てて口を開いた。それでも彼はどこか申し訳なさそうにこちらを見る。
 だから、私は付け加えた。

「むしろ、快適そうです。ありがとうございます」

「そうか、よかった」

 そう言う彼の顔は、なぜかふわりと綻んで見える。
 つい胸が騒いでしまい、私は慌てて彼から視線を逸らした。

 こんなことで動揺してしまうとは。

「ある程度片づいたら、買い物に出かけよう。必要なものがあれば買うし、ついでに夕飯も済ませようと思う」

 彼はいつの間にか、いつもの無表情に戻っていた。

「わかりました」

 そう答えると、龍臣さんは部屋を出てゆく。バタンと扉が閉まり、私はほっと息をもらした。

 それからさっそく、両親の写真を取り出した。父と母が、優しく微笑んでいる。

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