ぼくと世界とキミ
「うわっ!!」
急に耳元で聞こえ怒声に、勢いよく飛び起きた。
「お前は何度起こせば起きるんだ!?もう昼だぞ!!」
降り注ぐ怒声と共に頭を押さえたまま辺りを見回すと、顔を真っ赤にして怒るジルの姿が目に入った。
そっと窓から外を見ると、そこには空高くに昇った眩しい太陽が燦々と輝いているのが見える。
どうやら俺は寝過してしまったらしい。
ジルは物凄く怒っている様で鬼の様な恐ろしい形相で俺を睨んでいる。
マジで……怖い。
「……ご、ごめん!!」
「早く支度をしろ!!……ったく」
慌てて謝り手を合わせて見せると、ジルは大きく溜息を吐き、苛立った様にドカドカと足音を立てて部屋から出ていった。
その彼の足音を聞きながら苦笑いを浮かべる。
なんだか変な夢を見た様な気がするけど……思い出せない。
そう言えば最近変な夢をよく見る様になった気がする。
しかし今はそんな事に構っている暇はない。
恐ろしい《鬼》が現れる前に早く支度をしなくては。
そんな事を考えながら慌てて支度を整えると、廊下に飛び出し……急いでジルの後を追った。