ぼくと世界とキミ

「どうして俺なんだよ!?なんで俺が勇者なんだよ!?誰がそんなのにしてくれって頼んだんだよ!!」

俺の口から止めどなく言葉が漏れ出し、それはもう自分でも止める事が出来ない。

「マナを壊すために戦え?勝手な事言ってんじゃねぇ!!そんなのは絶対にゴメンだ!!」

そう言って拗ねた子供の様に顔を背けると、唇を噛み締めたまま強く拳を握った。

……どうして俺ばっかりがこんな思いをしなくちゃいけない。

……どうして俺なんかを勇者に選んだりしたんだよ。

……俺には何の力も無いのに。

そんな言葉を飲み込む様に、握り締めた拳をカタカタと振るわせる。

「では世界中の全ての命が消えます。……貴方が何もしないせいで」

女は冷たくそう言うと、凍り付く様な微笑を浮かべた。

「……ズルイ。ズルイじゃん。……そんな言い方」

そう小さく呟いて嘲笑を浮かべると、女は何も答えないまま静かに俺を見つめるだけだった。

……俺がやらなきゃ……全てが消える。

……でも……

「俺には……そんな力なんて無い」

誰かを……ましてや世界を救える力なんて俺にある筈がない。

力の無い自分に……世界など救える筈がない。

……救える筈ないじゃないか。
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