ぼくと世界とキミ
「……さ、触るぞ?」
そう言って少し緊張しながらジルの《痣》へと、そっと手を伸ばす。
するとジルは眉を顰めたまま、《早くしろ》とばかりに舌打ちをする。
不機嫌全開なジルを横目に……恐る恐るジルの《痣》へと手を伸ばす。
胸がドキドキと高鳴り、息が苦しくなる……って、なんで男の体触るのに緊張してんだよ!?
……変態みたいじゃん!!
急に物凄く恥ずかしくなったが、そのままの勢いで手を伸ばし《痣》に触れた。
俺の指がジルの《痣》に触れたその瞬間、ジルの《痣》から蒼い光が溢れ出した。
その不思議な光は空中を縦横無尽に飛び回ったかと思うと、急に角度を変えこちらに向かって凄い勢いで向かってくる。
「……うわっ!?」
驚いて目をギュッと閉じたその瞬間、蒼い光は俺の体に吸い込まれる様に消えていった。
……体が燃える様に熱い。
蒼い光が体に入る度に、俺の中の何かが満たされていく様な不思議な感覚がした。
「……これが……力?」
蒼い光が俺の体に吸い込まれていく中、ふとジルを見ると……ジルはかなり辛そうに眉間に深い皺を刻んでいた。
そしてその顔は酷く青く、明らかにヤバい。
「……ジ…」
彼の名前を呼ぼうとしたその瞬間、全ての光が俺の体に吸い込まれ、そしてジルが崩れる様に倒れ込んだ。