妹に陥れられ追放された令嬢ですが、氷の王弟に息子ともども溺愛されています
その日の夜中、エリックが泣きながら目を覚ました。
昼間にはしゃぎすぎたことで、興奮が残っているのかもしれない。
「エリック、大丈夫よ」
メレディスは優しく声をかけて抱き上げる。根気よくあやしているとやがて安らかな寝息が聞こえてきた。
「ふふ、可愛いな」
親ばかだと分かってはいるが、可愛くて仕方ない。
「ああ、メレに似て最高に可愛い」
カイエンが目尻を下げながらエリックの頬に触れる。
「私に似ているのは髪の色くらいよ。顔立ちはカイに似ていると思うけど」
「いやこの寝顔はメレにそっくりだ」
「本当に?」
寝顔は自分では分からない。
(私ってこんな顔して寝てるんだ)
「そういえば男の子は母親に似るって言うものね。女の子は父親に似るそうよ」
メレディスはエリックがすやすや眠りに落ちたのを確認すると、乳母にそっと渡した。
カイエンがメレディスの肩を抱き寄せる。
「次は女の子がいいか?」
耳元でささやく声はやたらと色っぽくて、頭がくらくらした。
「カイ……」
非難する声は、自分でも恥ずかしくなるくらい甘く響く。カイエンがくすりと笑いメレディスを抱き上げた。
夫婦の寝台にそっと体を横たえられる。
もう何度も抱かれているのに、カイに見つめられると、鼓動が高鳴り胸が甘く締め付けられる。
夫のキスに酔いしれているうちに、気付けば素肌をさらけ出していた。
「綺麗だな」
カイエンが囁きながらメレディスの体に触れていく。
彼はメレディスの力の抜けた左足を掴み上げ、足の甲にキスをする。
たちまち走る甘い感覚に、メレディスはびくりと体を震わせた。
「カイ、そんなところにキスしないで」
メレディスの制止などおかまいなしに、カイエンはキスを繰り返す。
足の甲から柔らかなふくらはぎに向かい、太ももにたどり着く。
メレディスはすっかり息が上がり、羞恥心に顔を真っ赤に染めていた。
カイエンのじらすような愛撫に堪らない気持になる。
「カイ……どうして最近意地悪なの?」
メレディスが堪りかねて訴えると、カイエンの心外だとでもいうように眉を寄せる。
「メレに意地悪なんてするはずがないだろ。こんなに大切にしているのに」
「でも……」
「妻が愛しすぎて、いつまでも触れていたくなるんだ。何年経ってもこの気持ちは色褪せない。きっと明日はもっと好きになる」
カイエンが囁きながら、メレディスの中に入ってきた。
力強い律動がメレディスを陶酔させる。
「カイエン……愛してる」
心からの想いは、深い愛を感じるキスで返された。
その夜。メレディスは夢を見た。
キースリング城の中庭で、メレディスとカイエンが寄り添っている。
視線の先には少し大きくなったエリックと小さな女の子が、楽しそうに笑っていた。
END


