まことしやかな恋
kiss you

 嗣海との交際は順調。互いの合鍵を使って仕事終わりに相手の家で過ごす半同棲のような生活をしているが、喧嘩もなく至って平和だ。

 元より友人同士として距離が近かったから、恋人になったところで劇的な変化はない。強いていうならスキンシップが増えたくらい。それもまだ、可愛い戯れ合いだ。

 ただ、付き合ったことは周りにすぐバレた。嗣海の職場の従業員なんかには、なにも話してないのに空気感が違うと指摘され、二人揃って生温かい視線を向けられた。

 マスターには〈性悪、仕留めました〉と照れ隠しで一報入れたら〈祝い酒だね〉と返信が来て、後日飲みに行くことが決定。私も嗣海も酔い潰れる予感がしてる。

 そんなこんなで、約束の初デートは明日に迫ってきたわけだが、家には私一人。

 恋人曰く、〝待ち合わせ〟をしたいらしい。


「アラーム何時に掛けよう」


 ひとりで寝るのも久しぶりだとベッドに転がってスマホを見ていると、ぴこんと通知音が鳴る。

 嗣海の名前が表示されたバナーに視線を向け、指先でタップした。


〈お寝坊なハニー、モーニングコール必要?〉


 ……私のこと、なめてるな。
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