まことしやかな恋




 薄暗い部屋で、スマホの画面が光る。

 恋人に腕枕をしていた男が目を向けると、新着通知には〈鞍馬 大和〉と表示されていた。

 男の名前かと眉間にしわを寄せ、メッセージの内容を開く。並ぶ文字列を見て、男の機嫌は下降した。


〈センセ、やっぱ一回ヤんない?〉


 自分の恋人を誘うような文面に、苛立ちが募り舌打ちが零れる。


「(誰かな、この男……)」


 男は〝鞍馬 大和〟の名を忘れないように記憶に残した。

 それから、もぞりと腕の中の存在が、離れた体温を求めて寄ってきたので、恋人のもふもふの髪に顔を埋めて癒される。


「俺の運命は、誰にもあげないよ」


 不安から逃げるように、愛しい運命を抱き締めた。


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