第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
「彼女のような普通の女性が、一流企業の社長の相手に選ばれる。シンデレラストーリーが現実になったんだ。多くの人に希望を与えたんだよ」
「登録したからといって希望の相手と結ばれるとは限らない」

 ベストマリアージュの判定基準は表にでるスペックだけではない。多くの質問に答えることでその人の心に秘められた望みが導き出されるのだ。

「それは分かってるけど、夢があるだろ? 少子化が進む原因として、若者がは将来に希望が持てないというのがある。前向きになれるならいいことじゃないか」
「どちらにしてもベストマリアージュは間違ってなかった」

 澄春は身を持って確かめた。

(千咲でよかった)

 はじめて彼女を見たとき、好感を持った。彼女の清楚な外見と押しつけがましくない態度が澄春の感性に合っているからだろう。

 一緒に暮らし始めてからはますます彼女との相性を実感する日々だった。

 彼女の言葉と笑顔に留めを刺されたのは、それまでの積み重ねたものが溢れた結果だ。

「おい、それはつまり結婚に満足してるってことか? もしかして本当に千咲さんを好きになったのか?」

 正樹が執務机に手を置き、前かがみになる。

「そうだ」

 正直に答える澄春に、正樹は驚愕した。眼鏡の向こうの目が大きくなる。

「そんなに驚くことか?」
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