第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
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澄春はシンポジウム会場に到着してすぐに異変に気付いた澄春は、すぐに正樹に連絡をした。
『千咲の安全確保を最優先で』
あんな写真が出回ってしまっては、外を歩くのすらも不安になるはずだ。
案の定、電話の向こうの千咲の声は、参っているようだった。
『澄春さん、不倫疑惑って嘘だからね』
彼女が市川駿介とよりを戻すような、ふらふらした女性ではない。
『分かってる』
澄春は迷わず言った。
『本当? 怒ってない?』
『怒るわけないだろ。千咲を信じてる』
焦燥感にかられている千咲に、大丈夫だと伝え安心してもらう。
本当は、怒っている。
千咲に対してではなく、卑怯な真似をした犯人に対して。
予定していた挨拶を終えた後は、交流会などの予定は全てキャンセルして、予定より早く帰社した。
そしてすぐさま、正樹を呼び出した。
「見つかったか?」
厳しい口調で問いかける。胸の内は焦燥感で溢れている。
「千咲さんに確認して写真の日時と現場がわかった。社内のカメラで該当の時間の階段室を使った人物を調べた」
「分かったのか?」
アローフォワードでは、共有部分に監視カメラを設置している。
特に地価駐車場に続く階段室は、防犯の為死角がないようにしていた。
「それが、千咲さんと市川以外は利用していない。恐らく隠し撮りをしていたのは市川だ」
澄春の眉根が寄り、眉間に深いしわが刻まれた。
「千咲に嫌がらせをするためか?」
千咲には言わなかったが、駿介が彼女を見る目は、敵を見るように鋭かった。
その瞬間、嫌な感じがしたのだ。
どんな関係なのか千咲に聞くと、以前交際しているとのことだった。
千咲に昔の恋人がいる現実ですら不快なのに、よりによって昔の恋人を少しも尊重できないような男だとは。
「市川は今日無断欠勤をしているが、さっき事情を聞きに言った。証拠をつきつけて追及したら、白状したよ。隠し撮りをしたのも、暴露系インフルエンサーにタレコミをしたのも全て市川本人だそうだ」
正樹の目に軽蔑の光が浮かぶ。