第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
「私は絶対に認めないわ。証拠だってあるわけがない。結局私には何もできない」
「豊原家の力でもみ消すつもりなら無駄だ」
「無駄? そう思うならやってみるといい」
澄春に反抗するように凛華が不敵に笑った。そのとき。
「彼女が昨日、その病室に入って騒いでいるのを見たわ」
聞きなれない女性の声がした。
驚き振り返ると、母親くらいの年齢の女性がいる。ラベンダーのカーディガンを羽織り、ベージュのロングスカートを履いた上品な人だ。
(どこかで見たことが有る気がするけど、思い出せない)
千咲は戸惑いながらも、女性に向かって話しかける。
「あの、本当に豊原さんが私の祖母、そこの部屋の患者と話しているのを見たんですか?」
「ええ。私の父もその先の病室で入院しているのよ。通りがかったらなんだか汚い言葉を叫んでいたから驚いて覗いたの。間違いないわ。もし証言が必要なら助けになるわ」
「あ、ありがとうございます。でもどうして?」
見ず知らずの人が、なぜこんなに協力的なのだろうか。
女性は柔らかく目を細めた。
「覚えてないかしら。以前貧血で倒れたとき、あなたが声をかけてくれたの。誰もが通り過ぎていくなか、あなたは側に居てくれた。すごく安心したのよ」
「あ、あのときの……」
「豊原家の力でもみ消すつもりなら無駄だ」
「無駄? そう思うならやってみるといい」
澄春に反抗するように凛華が不敵に笑った。そのとき。
「彼女が昨日、その病室に入って騒いでいるのを見たわ」
聞きなれない女性の声がした。
驚き振り返ると、母親くらいの年齢の女性がいる。ラベンダーのカーディガンを羽織り、ベージュのロングスカートを履いた上品な人だ。
(どこかで見たことが有る気がするけど、思い出せない)
千咲は戸惑いながらも、女性に向かって話しかける。
「あの、本当に豊原さんが私の祖母、そこの部屋の患者と話しているのを見たんですか?」
「ええ。私の父もその先の病室で入院しているのよ。通りがかったらなんだか汚い言葉を叫んでいたから驚いて覗いたの。間違いないわ。もし証言が必要なら助けになるわ」
「あ、ありがとうございます。でもどうして?」
見ず知らずの人が、なぜこんなに協力的なのだろうか。
女性は柔らかく目を細めた。
「覚えてないかしら。以前貧血で倒れたとき、あなたが声をかけてくれたの。誰もが通り過ぎていくなか、あなたは側に居てくれた。すごく安心したのよ」
「あ、あのときの……」