第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
 経済ニュースで頻繁に取り上げられ、代表者の澄春の元には連日取材依頼が舞い込んだ。

 さらに澄春が滅多に見られない美貌の持ち主なため、まるで芸能人のようにファンが付いている。彼は一般人も知る有名人なのだ。

 千咲は画面を見ながら固まった。

(やっぱり私に水無瀬社長の相手は務まらない!)

 この記事を書いた相手に、ベストマリアージュの結果を知られる訳にはいかない。

 それに令嬢R・Tとは誰なのだろうか。

(彼女なのかな?)

 意外だった。あの冷たく感情がなさそうな彼に恋愛相手がいただなんて。

 しかし、好きな相手がいながら、会社のアピールのために、平然と初対面同然の相手と結婚しようとしてるのだからやっぱり感情が冷え切っている。

 もし千咲と本当に結婚することになったら、その女性をどうするつもりなのか。

 彼が冷ややかに女性を捨てる姿が思い浮かび、背中がひやりとなった。
 無理だ。彩香の説得で少しだけ揺れたが、やっぱり明日断ろう。

 そう決心したとき、メッセージの着信音がした。

 確認すると祖母からだ。

【ちーちゃんのセーター、編みあがったからね。今度取りに来てね】
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