第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
 ただ話は聞いたという確認なのか、それとも面倒だと感じたのか、可能性は低いが少しは親身になってくれたのか。彼がどう感じたのか全く分からなかった。

(わかったって、どういう意味なのかな?)

 千咲が問いかける前に、澄春が話し始める。

「君が結婚を急ぐ理由は理解した。なんの問題もない」
「あ……はい」

 澄春のきっぱりした返事に、千咲は戸惑い口籠ってしまった。

「他に問題は?」

 彼の声音は結婚について話していると思えないほど、どこまでも冷静でまるで業務連絡のようだ。

「い、いえ、特にないです」

 千咲は深く考えられずにそう答えてしまったが、気付けば結婚をする流れになっている。

「無理強いはしないと言ったが、俺は君と結婚したいと思っている。この結婚の成功こそがベストマリアージュの成果を最もアピールできるはずだ」

 澄春の口調は落ち着いていたが、彼からは逆らうことが出来ないような意志の強さを感じた。

「開発者の結婚が成功すれば、利用者が安心できるだろう」
「……その通りですね」

 彼は本当に自社製品に自信を持っている。

 千咲もアローフォワードの一員として、もっとシステムを信じるべきかもしれない。

「……分かりました。水無瀬社長よろしくお願いします」

(あれ? どうしてこうなっった?)
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