第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
「はい。あの、日中に少しお話しましたけど、私は幼い頃に両親を亡くしたため、祖父母に育てられたんです。就職するまではずっと一緒に暮らしていました。私のことをとても気にかけてくれていて……結婚して幸せになってほしいと思っているんです」
澄春が千咲をちらりと見た。
「君の家庭環境は調べさせてもらったから、だいたいの事情は分かってる」
「えっ? そ、そうだったんですね」
調査をされていたことに少し驚いたが、澄春のような立場なら当然のことかもしれない。
(それなら、くどくど説明しない方がいいかな)
しつこいと機嫌を損ねてしまったら大変だ。千咲は黙ったまま足を進め、ある病室の前で立ち止まった。
「ここが祖母の病室です。祖母のベッドは右奥です」
千咲はスライドドアを開いた。
四人部屋だが入院しているのは三人。祖母以外はカーテンを閉めている。
千咲は祖母を驚かせないように、前もって大切な人を連れてお見舞いに行くとメッセージを送っていたので、カーテンを開けて待ってくれていたようだ。
「ちーちゃん」
祖母が顔をくしゃっとしてうれしそうな笑みを浮かべる。
千咲は他の入院患者の迷惑にならないように気を付けて、静かに歩みよった。
澄春が千咲をちらりと見た。
「君の家庭環境は調べさせてもらったから、だいたいの事情は分かってる」
「えっ? そ、そうだったんですね」
調査をされていたことに少し驚いたが、澄春のような立場なら当然のことかもしれない。
(それなら、くどくど説明しない方がいいかな)
しつこいと機嫌を損ねてしまったら大変だ。千咲は黙ったまま足を進め、ある病室の前で立ち止まった。
「ここが祖母の病室です。祖母のベッドは右奥です」
千咲はスライドドアを開いた。
四人部屋だが入院しているのは三人。祖母以外はカーテンを閉めている。
千咲は祖母を驚かせないように、前もって大切な人を連れてお見舞いに行くとメッセージを送っていたので、カーテンを開けて待ってくれていたようだ。
「ちーちゃん」
祖母が顔をくしゃっとしてうれしそうな笑みを浮かべる。
千咲は他の入院患者の迷惑にならないように気を付けて、静かに歩みよった。