第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
「そうだね。私は自分の見る目に自信もないし、お見合いの方がいいのかもしれない。でも紹介してくれる人がいなくて」

 千咲は両親は共に一人っ子だったから、結婚を世話してくれるような親族がいない。

「それならマッチングサービスはどう? 条件ありきで相手を選べるから結婚まで一直線だよ。ちょうどうちの会社でも開発しているし」
「ベストマリアージュのこと?」
「そうそう。ローンチ前に社内でテスト運用するって通知があったじゃない。せっかくだから試してみたら?」

『ベストマリアージュ』とは、千咲が働くIT企業『アローフォワード』が近日リリース予定の婚活向けマッチングサービスだ。

 少子化対策を急ぐ政府の方針の下、各地方自治体では成婚率を上げるための対策が打ち立てられている。そのひとつが婚活アプリの利用だ。

 アローフォワードは行政の求めに応じて最新のマッチングシステムを開発した。

 コンセプトは、【最適な相手と今すぐ結婚】

 具体的には登録者の中から、自分に相性のよい相手をピックアップし、自分に合わない相手と付き合うことで発生する時間と労力のロスを防ぐ。それにより結婚まで最短距離で進められるという理屈だ。
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