第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
正樹が尋ねると、凛華はいかにも不服というように眉間にしわを寄せた。
「私にぶつかってくる無礼者がいたのよ。元々気にいらないと思っていた相手だったから余計に腹が立っちゃって」
「具体的にどんな状況だったんだ?」
澄春は気になり割り込んだ。すると凛華の表情が明るくなり、張りきって事情を説明しはじめた。
「会議の前に一階のコーヒーショップに寄ろうとしたのよ。ところが入り口を邪魔するように蹲っている人がいてね。服装も会社員には見えないし、なんだか怪しかったの。面倒事に巻き込まれたくないし近寄らないようにしたわ」
澄春は静かに頷いた。高飛車な凛華らしい行動で容易く想像ができる。
「今って物騒な事件が多いじゃない? 私のような女が用心するのは当然よ。それなのに無鉄砲に近づいて声をかけた女性がいるの。しかもうちの社員よ」
「……誰だったんだ?」
「ただの一般社員だから澄春は知らないと思うわ」
「名前は?」
澄春が珍しくしつこく尋ねたため、凛華は小さな顔に戸惑いを浮かべた。それでも澄春の視線に促されて口を開く。
「総務部の楠木千咲よ」
その名前を聞いた瞬間、正樹が息を飲んだ。澄春は僅かに目を細める。
「……そうか」
「私にぶつかってくる無礼者がいたのよ。元々気にいらないと思っていた相手だったから余計に腹が立っちゃって」
「具体的にどんな状況だったんだ?」
澄春は気になり割り込んだ。すると凛華の表情が明るくなり、張りきって事情を説明しはじめた。
「会議の前に一階のコーヒーショップに寄ろうとしたのよ。ところが入り口を邪魔するように蹲っている人がいてね。服装も会社員には見えないし、なんだか怪しかったの。面倒事に巻き込まれたくないし近寄らないようにしたわ」
澄春は静かに頷いた。高飛車な凛華らしい行動で容易く想像ができる。
「今って物騒な事件が多いじゃない? 私のような女が用心するのは当然よ。それなのに無鉄砲に近づいて声をかけた女性がいるの。しかもうちの社員よ」
「……誰だったんだ?」
「ただの一般社員だから澄春は知らないと思うわ」
「名前は?」
澄春が珍しくしつこく尋ねたため、凛華は小さな顔に戸惑いを浮かべた。それでも澄春の視線に促されて口を開く。
「総務部の楠木千咲よ」
その名前を聞いた瞬間、正樹が息を飲んだ。澄春は僅かに目を細める。
「……そうか」