雨宮くんと相合傘。


「あー……最悪。降ってきた」


​放課後の昇降口。


グレーに染まった空から降り注ぐ雨を見て、私は小さくため息をついた。


​予報では降水確率10%だったはず。


お気に入りのローファーが濡れるのも、湿気で前髪がうねるのも、全部憂鬱。


​「……走って帰るしかない、かな」


​意を決して一歩踏み出そうとした、その時。


​「おーおー。おチビちゃん、そんな格好で突っ込む気?」


​後ろから聞こえてきた、少し低くて、どこか人を食ったような声。


心臓がドクンと跳ねる。


​振り返らなくてもわかる。


私の後ろに立っているのは、学年一の有名人。


派手な茶髪に、着崩した制服。


いつも女の子に囲まれている、チャラさ100%の雨宮 蓮(あまみや れん)くんだ。
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