政略結婚ですが御曹司に甘く囲い込まれ溺愛されています
「初めまして、村瀬澄佳です」

そう言って何人の人と、握手をしただろう。

でも相手も御曹司。さすがは社交辞令の挨拶が上手い。

そんな時だった。

私は足に痛みを感じて、近くにある椅子に座った。

靴を脱いで足を見ると、靴擦れをおこしている。

「どうりで痛いはずだわ」

途方にくれていると、目の前に一人の男性が立った。

「宜しければ、お使い下さい」

差し出されたのは絆創膏だった。

「あ、ありがとうございます。助かります」

受け取って貼ろうとすると、前に屈んだ。

「張りにくそうですね。足を貸してください」

「え……」

そう言って彼は床に膝を着き、その上に私の足を置いて、靴擦れの部分に絆創膏を貼ってくれた。

「ありがとうございます。優しいんですね」

「誰にでも優しいわけじゃないですよ」


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