恋煩いの処方箋
みんなの思い出の味に舌鼓打ちながら、和花の将来の夢についての話題になった。
「和花ちゃんは大和同じ医者になりたいんだって?」
お義父さんが聞くと、和花は少し困り顔で答える。
「うん。でもやっぱりお嫁さんにしようかな」
最近、式場のパンフレットを大和が取り寄せてくれていることもあり、和花はウエディングドレスに夢中だ。毎晩ページを捲ってはうっとりしている。
「お嫁さん⁉」
驚くお義父さんの隣でお義母さんは笑顔で口をはさむ。
「あら素敵ね、和花ちゃん。お医者さんとお嫁さん両方なればいいわ」
「両方?」
「そうよ。パパみたいなお医者さんとママみたいなお嫁さん。和花ちゃんならなれるわよ」
「そうだね」とうちの両親も賛同する。すると大和は渋い顔で「お嫁さんはまだちょっと考えたくないかも……」という。
たしかに和花が結婚するのはずっと先のことだろう。
私はまだかわいい子供のままでいてほしいと思う。いつか愛する人を見つけて巣立つその時まで。
おわり


