絵画にキスした男
この人と腐れ縁になれたのがまさに僕の人生のピークだったと錯覚してしまうほどにあなたは綺麗で。
「僕を?なぁに」
「なんでもないですよ」
「拗ねないでよぉ〜全く、りょーくんはちっちゃい頃から変わらないなぁ。長い前髪、切っちゃえばいーのに」
そんなこと言って、先輩は僕の前髪を持ち上げて額に触れてきた。
「ほら、目が見えた。私りょーくんの目、好きなんだ。茶色い、チョコレートみたいな綺麗な目。甘そうね」
「ずるい、ずるい……僕があなたのこと好きだって知ってるくせに」
僕の人生で一番輝いているあなたという存在は、こういうところで仇となる。
あなたの僕へ対する感情は、愛というには十分すぎるくせに。
