天邪鬼な私は、人気者の彼が苦手です
颯斗の気持ちも、このガラスみたいにグニャリと変形して私を好きになったらいいのに。
でも、冷えたらもろくて割れやすいかもな、と考える。

お店の人が、グラスの底に棒をしっかりくっつけた。
「最後が一番大事ですからね」

「今からグラスの形を整えていきます。
左手でこの棒をコロコロ回しながら、右手のハサミで飲み口を広げていきます。
サポートしますから、安心してくださいね」

沖縄の人特有の柔らかいイントネーションが、とても心地よい。
なんだか、安心して作業できそうな気がした。

「できたー!」

なんとかコップらしい形になった。
熱々のガラスの塊は、グニャグニャでとても柔らかい。それでも冷めていくとしっかりとした形になった。
体験してよかった、と心から思う。

「上手でしたよ」

お店の人も笑顔で褒めてくれる。

「ありがとうございました。とっても楽しかったです」

「それはよかったさー」

二人で笑顔を交わし、軽く会釈した。

でも、颯斗は――

手際よく仕上げると、あっさり工房を出て行ってしまった。

出来上がりは翌日以降とのこと。
この後、来る生徒たちの分と一緒に学校へ送ってくれるらしい。

自分のだとわかるよう手続きを済ませ、由乃たちに「終わった」と連絡を入れる。

みんなとの待ち合わせ場所へ向かう道。
私は半歩後ろを歩き、その高く広い背中を見つめていた。
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