天邪鬼な私に、宣戦布告されました
多数決なら、四対二でシーサーの絵付け。
それでも「嫌だ」と、颯斗が頑なに折れない。

痺れを切らした晴人が口を開く。

「ねぇ。同じ場所でやるんだから、やりたいやつでよくない?
颯斗は琉球ガラス。で、桜庭も最初、琉球ガラスに手を挙げてたよね?
だから二人で作ってきなよ。終わったら連絡取り合って集合すればいいじゃん」

「はっ? なんで……」

颯斗は異議を唱えようとしたけれど、

「嫌なら多数決でシーサーだから」

と、晴人にぴしゃりと言われ、
ぐぬぬ……と、何も言えなくなっていた。

女子たちの視線が、一斉に私に集まる。

――颯斗と二人で大丈夫?

(心配ありがとう。私は大丈夫よ。むしろ嬉しすぎるから)

……なんて言ってしまいそうになるのをぐっと堪えて、
私は落ち着いた顔で二人に頷いてみせた。

「そしたら、すぐ予約取らないとだね。
みんな同じ考えだろうから、いい時間が取れなくなっちゃうよ」

澪は、さっそくスマホを操作してシーサー絵付けの予約を入れていく。

「颯斗、私たちも琉球ガラスの予約取らないと」

そう声をかけると、

「桜庭が入れといて」

即答。見事なまでの人任せだ。

……まぁ、分かってはいたけど。

ここで、
「えーっ。颯斗に合わせてあげてるんだから、颯斗がやってよ」
なんて言ってみようか、と一瞬よぎる。

どんな顔をするのか、ちょっと見てみたい。

でも、周りに迷惑がかかりそうだから、
私は何も言わずに、素直に予約画面を開いた。

――本当は。

二人きりになるこの時間を、
ちょっとだけ、楽しみにしているくせに。
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