幼馴染への三度目の失恋を回避したい ――激重な片思いを隠さなくなってきた彼に、心臓がもたなくなってきた彼女。【完結】
しばらく考えて、僕はハッとした。
「あのさ……なんか俺の、変な噂とか聞いてない?」
「……噂?」
「たとえば……由利さんとの噂、とか……」
探るように尋ねると、スッと目を逸らされた。
文化祭の前に流れていた、僕と由利さんが付き合っているらしいとかいう、あのデマのことだ。
それに、文化祭のとき中庭で彼女と一緒にいたところを、誰かに見られていた……という可能性もある。
「……手を繋いでたってやつ?」
めぐみが、ぽつりと聞いた。
「……はあ?」
思わず素っ頓狂な声を上げた。
僕は、そんな噂はまったく把握していない。
……もしかして。由利さんが下駄箱で具合悪くなって、保健室まで連れていった時のやつか……?
たしかに、しゃがみ込んでいる彼女を立たせる時に、一瞬だけ手を支えた。
だが、あれで『手を繋いでいた』は語弊がありすぎるだろ!
心の中で激しくツッコミを入れまくりながら、僕は身を乗り出した。
「ああ、それは! 具合悪くなった時に、たまたま通りかかって保健室まで付き添っただけで、手を繋いでたとか絶対ありえないから!」
強めに、必死に否定した。
「……わかってると思うけど、付き合ってるとかも当然ないからな?」
僕がまくしたてると、少しの間黙っていためぐみが、小さく口を開けてぼそっと呟いた。
「でも……仲いいのは、本当だよね」
「え?」
「ライブも、相性ぴったりだったし……」
声が、明らかにむくれている。
横を見ると、めぐみはわざと僕の反対側を向いていて、その表情が見えなかった。
「……めぐ」
こっちを向いてほしくて、僕は名前を呼んだ。
「…………」
彼女は黙ったままだ。
「……おい。こっち向けよ」
そう言っても、まだそのままそっぽを向いている。
たまらず、僕はベンチから立ち上がり、めぐみの真正面に回り込むようにして立った。
視界に入っためぐみの表情は――。
唇を尖らせ、見事に、拗ねていた。
「あのさ……なんか俺の、変な噂とか聞いてない?」
「……噂?」
「たとえば……由利さんとの噂、とか……」
探るように尋ねると、スッと目を逸らされた。
文化祭の前に流れていた、僕と由利さんが付き合っているらしいとかいう、あのデマのことだ。
それに、文化祭のとき中庭で彼女と一緒にいたところを、誰かに見られていた……という可能性もある。
「……手を繋いでたってやつ?」
めぐみが、ぽつりと聞いた。
「……はあ?」
思わず素っ頓狂な声を上げた。
僕は、そんな噂はまったく把握していない。
……もしかして。由利さんが下駄箱で具合悪くなって、保健室まで連れていった時のやつか……?
たしかに、しゃがみ込んでいる彼女を立たせる時に、一瞬だけ手を支えた。
だが、あれで『手を繋いでいた』は語弊がありすぎるだろ!
心の中で激しくツッコミを入れまくりながら、僕は身を乗り出した。
「ああ、それは! 具合悪くなった時に、たまたま通りかかって保健室まで付き添っただけで、手を繋いでたとか絶対ありえないから!」
強めに、必死に否定した。
「……わかってると思うけど、付き合ってるとかも当然ないからな?」
僕がまくしたてると、少しの間黙っていためぐみが、小さく口を開けてぼそっと呟いた。
「でも……仲いいのは、本当だよね」
「え?」
「ライブも、相性ぴったりだったし……」
声が、明らかにむくれている。
横を見ると、めぐみはわざと僕の反対側を向いていて、その表情が見えなかった。
「……めぐ」
こっちを向いてほしくて、僕は名前を呼んだ。
「…………」
彼女は黙ったままだ。
「……おい。こっち向けよ」
そう言っても、まだそのままそっぽを向いている。
たまらず、僕はベンチから立ち上がり、めぐみの真正面に回り込むようにして立った。
視界に入っためぐみの表情は――。
唇を尖らせ、見事に、拗ねていた。