超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました
「安かったか? ゼロをひとつ増やそう」
「ぎゃ、ぎゃ、ぎゃ、逆です!」

テオドールの勘違いを詰まりながらも訂正するミラン。

「ボ、ボクはこのとおり口下手でして、絵を教えるのは初めてですし、この金額に相応しいか自信がなく……」

(ああ、折角のチャンスなのにボクは何を言ってるんだ! でも、後から期待外れと幻滅されるよりは……)

申し訳なさそうに目を伏せるミランに、シャルロットが聖母のような笑みを浮かべて話しかける。

「私が理想とする絵は、貴方の絵なのです。これからよろしくお願いいたします」
「シャルロット様……」

シャルロットの力強い言葉を聞いたミランは、感激で泣きそうになる。

「精一杯努めさせていただきます……!」


こうして、ミランは週に二回、グレイヴン邸宅でシャルロットに絵を教えることとなった。



「ーー計画通り、彼が引き受けてくれて良かった。これで金のために贋作に手を出す確率は下がっただろう」
「もし脅されてるなら、私が視て組織を突き止めればいいですし」

小声で話をしながら、店を出るテオドールとシャルロット。

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