超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました
しかし、視界は真っ暗。

(これは目隠しをされているのね)

記憶の中のテオドールの焦った声が聞こえる。

『なんだこの響く声は……! 脳内に入り込んで来る!』

『チッ、やっぱ性格的にかかりにくいな。セシュネの量増やすか。
さあ、テオドール・グレイヴン。貴方の瞼がだんだん重くなって眠気が訪れます……』


「ーーシャルロット!?」

ユーリの鋭い声でシャルロットはハッと瞼を開く。

「邪魔をしてごめん、急に体が脱力したから」
「いえ、助かりました。記憶に引きずられて私まで眠ってしまうところだったので……」
「えっ!?」

聞こえた内容をユーリに伝えると、彼は隣に座るテオドールに視線を移す。
テオドールはいつの間にか、目を閉じて眠っていた。

「寝てる……。昨夜の事を聞かれたら、なんだか混乱し始めたよね」
「拉致した犯人に催眠術をかけられたようなので、記憶に齟齬が出て耐えきれずダウンしたとか……?」
「催眠術だと下手に刺激しない方が良さそうだな。かけた犯人に解かせないと危険かも」

犯人を特定しなければーー
ユーリはシャルロットの顔を見た。

「男の声に聞き覚えはある?」
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