超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました

テオドールが黙々と食べ始めたので、シャルロットも倣って静かに食べる。

(無言だけれど、嫌な感じじゃないわ。テオドール様の性格的に、ただコミュニケーションより食事を優先してるだけだとわかるからかしら)

シャルロットはノイエ家で両親に厳しくされていたため、メイドや執事にも舐められていた。
無視されることもあったり、太らないよう制限された料理を食べていると、「なにあれ、鳥のエサかしら」と嗤われたこともあった。

テオドールが食べ終えたタイミングで、シャルロットが話しかける。

「テオドール様、ドレスをありがとうございます」
「ああ。他にも必要なものがあれば、常識の範囲内で買ってくれて構わない。今日、君の荷物をノイエ伯爵家に取りに行かせる」
「大したものはありませんので、荷物は取りに行かなくて結構ですわ。それより……このドレス、色もデザインも私の好みなのでうれしいです」
「服屋が持って来たドレスの中で君の雰囲気に合ったものを買っただけだが、好みに合っていたのなら良かった」

シャルロットは驚いた。
ピンクブロンドの髪に大きな瞳、色白で華奢な体躯のシャルロットは、両親はもちろん仕立て屋にも、ピンクや白のかわいらしいドレスを選ばれがちだったから。

(観察力のあるテオドール様は私自身を見てくださったのね)

「ところで君の能力についてだが、他の人間には隠すつもりだ」
「はい」
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