超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました

サイコメトリーを発現して以来、両親に利用されてきたシャルロットは、テオドールの方針に安堵した。
両親以上の悪人に知られたら、倒れるまで視ることを強要されかねない。

「でも、それなら私と結婚する理由を捏造しなければいけませんよね」
「それは大丈夫だ。……ん?」

バタバタと足音が近付いて来て、テオドールは話を止めてドアの方を見た。
焦ったノックが響いた後、ドアが開く。

「旦那様、ユーリ様が……」
「やあ、テオドール! おっ、シャルロット嬢も」

慌てる執事の背後から、柔らかに波打つ金髪に人懐っこそうなたれ目の男性が現れる。

「フォラツ公爵閣下、ご機嫌麗しゅうございます」

シャルロットは内心焦りながらも、立ち上がって淑女の礼をした。

昨夜のパーティーの主催であるフォラツ公爵家当主のユーリ。
いち伯爵令嬢のシャルロットは、王族とも関わりのある大貴族の彼とは挨拶くらいしか交わしたことがない。

「堅くならないで、シャルロット嬢。ユーリって呼んでよ! 僕は幼い頃からテオドールの親友なのさ」
「幼馴染みなのは事実だが、親友は事実ではない。朝から何の用だ」
「何の用って、そりゃキミたちのことさ!」
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