超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました

第2話 発現

シャルロットが淑女のお辞儀をすると、テオドールは踵を返して歩き出した。

「あの……?」
「ついて来たまえ」
「は、はい」

言われるままテオドールの後について歩いていく。

(テオドール様、歩くのが速すぎるわ。こちらはドレスにヒールなのに……)

紳士ならば令嬢の手をとってエスコートするものだが、そんな配慮などテオドールの辞書には全くない。
シャルロットは微笑をたたえな がら、必死についていった。

急にテオドールの足が止まる。
視線の先にあるのは、グレイヴン家の馬車。

(なんて立派な馬車……さすが公爵家の格を感じるわ)

「君も乗れ」

さっさと先に乗ったテオドールから、声をかけられる。

「失礼いたします」

シャルロットは小声で言いながら、馬車に乗り込んだ。

ちなみに馬車が走り去った後、「あの変人グレイヴン公爵が、ドジっ娘シャルロットを選んだ!?」と騒ぎになっていたことを二人は知らない。
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