超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました
「なんだ、お茶会か?」

葉陰から現れたのは、△△王国の王子。
年齢はユーリやテオドールと同じくらいだ。

(△△王族が来訪中だっけ。護衛の姿がないから勝手に来たのか)

「殿下、ご機嫌麗しゅうございます」

ユーリが一番に立ち上がり、王子に向かって紳士の挨拶をした。

(この場で王子の次に位が高いのは僕だから、挨拶はこれで間違ってないはず)

すると、王子の方から近づいて来て。

「ギャハハ! くるくる巻いて、羊の毛みたいだな!」

なんと、王子はユーリの巻き毛を掴み引っ張ったのだ。

「いっ……」

(痛いって言っていいの? 抵抗したら不敬罪になる?)

予想外のことにユーリは内心パニックになった。
いつもユーリを持ち上げる子供達も使用人達も王子を恐れて、ただ苦笑いを浮かべるだけで助けてくれない。

(でも、僕も逆の立場だったら同じだろうしなぁ……)

ユーリは目を閉じて、ただ王子が飽きるのを祈るしかなかった。

「ぅわ! お前ッ何をする! 私は△△王国の第一王子だぞ!?」

ふいに王子の焦った声が聞こえて、ユーリは目を開ける。

そこには。

< 99 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop