太陽と狐は「」をする
「着いたっ……あれ?」



 目的地が見えた時、ふと言葉が止まった。
 それはその場所に先客がいたからに他ならない。客と言っていいのかはわからないが。

 ふわふわと輝く白銀の毛並み。
 体長は五十センチ程度だろうか。丸まっているから、さらに小さく見える。

 そこにいたのは——一匹の狐だった。



「……触っても、いいかしら?
 でも、なんでこんなところに……?」



 好奇心が疼いた。
 もともと灯はふわふわしたものや可愛いものが好きである。お気に入りのペンにもそういったストラップが付いているほどだ。
 だからこそ、目の前に素晴らしいふわふわがあるのに触らないなんてとても難しかった。
 ただ、それ以上に興味を持ったのは目の前の狐がどこからやってきたからについてだ。

 天照家は君主の家。だからこそ、こういった野生動物の侵入を防ぐために色々と工夫がされているはずだ。
 結界の歪みでもあったのかもしれないな、と考える。
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