これは私が望んだ復讐です
何度言っても二言目には「ずるい」「ひどいわ」「わたくしにも、ください」と、そればかり。いい加減聞き飽きた私は、シャルロットに甘い父に意見するのも止めた。
そして今妹が一番欲しいものが、「王太子オーエン様」なのだろう。
――違うわね。王太子妃、そして王妃になりたいのだわ
しかしそんなこと、侯爵の父に頼んでも今さらできるわけがない。わたくしは十歳の時に、国を守る魔力を持った聖女に選ばれた。そのうえその頃から厳しい王妃教育が始まり、七年後の今ようやく終わろうとしているのだ。
王妃としてのマナーからこの国の歴史。複数の外国語。あらゆることを詰め込まれ、今ここに立っている。
――いつも疲れ果てて、誰かに笑顔を見せる余裕なんてないのに……
それでも今はまだ殿下も十七歳。妹のような豊満で妖艶な体に夢中になっているだけだろう。しばらくしたら、彼も国を背負う者として正気に戻るはず。
そう思っていたのだけど、どうやら違ったみたい。
「スカーレット! 君との婚約は解消する! 私を真に愛し、支えてくれる国母となるのは、君の妹のシャルロットがふさわしい!」
「お姉様、ごめんなさい。わたくし、お姉様が殿下に淋しい思いをさせているのに耐えられなかったの」
よりによって二人は、大勢の貴族が集まる夜会で婚約破棄の宣言をしたのだった。