クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日
その日もそうだった。
50人規模のワンフロア。あちこちで電話の音やタイピング音が鳴り響く、ごく普通の業務風景の中。
俺は自分のデスクの横に立つ彼女と共に、一つのモニターを覗き込んでいた。
「ここ、この数値なんですけど……」
「……あ、こっちのタブですね」
説明を聞きながら、彼女がほんの少しだけ身を乗り出した。
俺の肩に、彼女の熱い体温がふわりと伝わってくる。ほんのりと香る、いつものあの清潔な香り。
(……近いな)
一瞬だけ警鐘を鳴らした理性を無視し、画面の解説を続けようとした、その時だった。
「いや、それはこっちの……」
教えようと顔を向けた瞬間、俺の鼻先が彼女の顔に触れそうなほど接近していた。
あまりの近さに驚いた彼女が、大きくバランスを崩す。
「あ……っ」
咄嗟に彼女の肩を支えようと、俺は手を伸ばした。
しかし、焦って身をよじった彼女の動きと重なり、俺の手は狙いを外して彼女の肩口から滑り落ち――
そのまま、彼女の柔らかな胸元に微かに触れてしまった。
50人規模のワンフロア。あちこちで電話の音やタイピング音が鳴り響く、ごく普通の業務風景の中。
俺は自分のデスクの横に立つ彼女と共に、一つのモニターを覗き込んでいた。
「ここ、この数値なんですけど……」
「……あ、こっちのタブですね」
説明を聞きながら、彼女がほんの少しだけ身を乗り出した。
俺の肩に、彼女の熱い体温がふわりと伝わってくる。ほんのりと香る、いつものあの清潔な香り。
(……近いな)
一瞬だけ警鐘を鳴らした理性を無視し、画面の解説を続けようとした、その時だった。
「いや、それはこっちの……」
教えようと顔を向けた瞬間、俺の鼻先が彼女の顔に触れそうなほど接近していた。
あまりの近さに驚いた彼女が、大きくバランスを崩す。
「あ……っ」
咄嗟に彼女の肩を支えようと、俺は手を伸ばした。
しかし、焦って身をよじった彼女の動きと重なり、俺の手は狙いを外して彼女の肩口から滑り落ち――
そのまま、彼女の柔らかな胸元に微かに触れてしまった。