クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日
#24【先輩視点】「後輩ですか、それとも一人の女の子ですか」――その問いで、俺の理性は限界を迎えた
重い扉を押し開けると、そこには居酒屋とは違う静けさがあった。
カウンターに灯る琥珀色のランプが、隣に座る彼女の横顔を残酷なほど綺麗に照らし出す。
「……ここ、静かでいいですね」
「ああ。……少し、静かすぎるくらいだな」
差し出されたジントニックのグラスを指先で弄びながら、俺は逃げ場を探すように視線を落とした。
居酒屋での会話が嘘のように、二人の間に密度の高い沈黙が降りてくる。
言葉という防波堤を失った空気が、じわりと俺を追い詰めてくる。
(……まずいな。この空気は、まずい……)
頭の片隅で理性が警鐘を鳴らし続けている。
俺は慌てて「上司」という仮面を必死に手繰り寄せた。
「ねえ、先輩。……さっきの続き、聞いてもいいですか?」
「……続き? 何のことだ」
「とぼけないでくださいよ。……『歌詞』の話です」
カウンターに肘をつき、彼女が俺の瞳をじっと見つめてくる。
まっすぐな視線だった。
その強さに、胸の奥が落ち着かなくなる。
カウンターに灯る琥珀色のランプが、隣に座る彼女の横顔を残酷なほど綺麗に照らし出す。
「……ここ、静かでいいですね」
「ああ。……少し、静かすぎるくらいだな」
差し出されたジントニックのグラスを指先で弄びながら、俺は逃げ場を探すように視線を落とした。
居酒屋での会話が嘘のように、二人の間に密度の高い沈黙が降りてくる。
言葉という防波堤を失った空気が、じわりと俺を追い詰めてくる。
(……まずいな。この空気は、まずい……)
頭の片隅で理性が警鐘を鳴らし続けている。
俺は慌てて「上司」という仮面を必死に手繰り寄せた。
「ねえ、先輩。……さっきの続き、聞いてもいいですか?」
「……続き? 何のことだ」
「とぼけないでくださいよ。……『歌詞』の話です」
カウンターに肘をつき、彼女が俺の瞳をじっと見つめてくる。
まっすぐな視線だった。
その強さに、胸の奥が落ち着かなくなる。