クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日
「……先輩って、仕事中いつも平気そうな顔してるのに、時々、何かを必死に我慢してるみたいに苦しそうに見える時があるんです。……私は、先輩が隠してるその本音を聞いてみたいんです。……ねえ、ダメですか?」

「…………」

深く、深く息を吐き出す。
指が、カウンターの上を彷徨い、彼女のグラスのすぐ近くで止まった。

「……りんりん。お前、……自分の立場、分かってるのか?」

最後通告のつもりだった。これ以上踏み込めば、俺たちはもう元には戻れない。
だが、彼女はふにゃりと柔らかく笑ってみせた。
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