冷静な年下社長と契約結婚したはずなのにある夜突然オオカミになりました
ここは本当の事を言った方がいいのではないかしら。

「実は、まだ一人ともマッチングしていなくて」

「なに⁉」

「あははは。50代とか60代のおじさんしかこなくて。まあ、結婚できればいいんですけどね。ただ私まだ、42歳で……」

途端に涙が出て来た。

「橘さん?」

「贅沢だって分かってるんです」

涙が止まらない。胸が痛い。

分かってる。いいねを押してくれるだけでも、選ばれてることなんだって。

でも、でも。私には譲れない条件がある。

「……私、子供が欲しいんです」

「ああ……」

それ以上何も言わない。本当に社長は優しい人だ。

「もう無理だって分かってるんですけど、どうしても諦められないです」
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