死神の鳥籠〜激重感情に囲われまして〜
「んー!深月ー!起きなさーい!」
先ほどよりも激しく深月の体を揺すってみるが、深月は頑なに目を閉じ続ける。
さらりと流れる濃い青髪の奥で、平然としているあのまぶたが憎い。
このままでは、本当にやばい。
学院に遅刻してしまう。
なんとか深月を起こせないものかと奮闘しているとーーー。
「…っ!」
突然、深月に腕を引かれ、視界がぐらりと揺れた。
そして気がつけば深月の手によって、私は深月の布団の中へと引きずり込まれていた。
「…結(ゆい)」
深月が甘えるように私の名前を呼び、ぎゅうと正面から己の腕の中へ私を閉じ込める。
さらにまるで猫のように私の頭に頬擦りすると、再び「すぅ…すぅ…」と寝息を立て始めた。
気持ちの良い睡眠を続ける為に、深月はあろうことか私を抱き枕にしたのだ。
…全く。
仕方がないので、私は最終手段に出ることにした。
まずはグッと深月の胸を押し、わずかな隙間を作る。
それから制服の下に手を伸ばし、小さな死神の鎌を取り出すと、それに妖力を込めた。
すると、鎌はその形を変え、小さなナイフになった。
死神は皆、こうやって自分の鎌を管理するのだ。
この方がずっと使い勝手がいいから。