黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
夏初は僕にとって大事な人だって言っただろ。
付き合った期間とか関係ない」

証明するように繋いだ手にぎゅっと力が入った。

「じゃあ。
よろしくお願いします」

「うん」

彼の手が柔らかく私の頭を撫でる。
行かなきゃよかったと後悔もしたパーティだが、晴貴さんと出会えたのだけはよかった。

会計を済ませ、車に戻る。

「一度、夏初の家に寄ってどこかでお昼を摂り、僕の家に帰ろう。
いるものとかあるだろ?」

「助かりますがお仕事はいいんですか」

私がシートベルトを締めたのを確認し、彼は車を出した。
病院でかなり時間がかかったし、気になるところだ。

「大丈夫だ、それくらいの融通は利く」

私の家のほうへと彼がハンドルを向ける。
それが幸せだった。

晴貴さんは自分の住んでいるマンションに私を送り、仕事へ行った。

「とりあえずキッチン、確認させてもらおう」

依頼料は手料理でと言われたので、今日は作って待っていようと思う。
しかし、少々不安があるのだ。

「デスヨネー」

好きにしていいと言われていたので、キッチンをチェックして苦笑いが漏れた。
まともな調理器具がほぼない。
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