黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
「気づけただけよかったよ」

会計を待ちながら晴貴さんが指を絡めて手を握ってくれる。
もう大丈夫だと私自身は思っていたが、話している最中にわけもなく突然、涙が溢れてきて止まらなくなり、心は深く傷を負っていたのだと自覚した。
病院を提案してくれた晴貴さんには感謝しかない。

「これから僕は事務所へ行くけど、夏初はどうする?」

このまま別れて家に帰るつもりだったので、尋ねられて困惑した。

「家に送ってもいいけど、できれば僕の家にいてほしいかな」

理由がわからず、つい何度か瞬きをしてしまう。

「まだここは深く傷ついているだろ」

とんと、彼が人差し指で私の胸を突く。

「夏初が泣きたくなったり、不安になったりしたときに、できるだけ隣にいたい。
だからしばらくは僕の家にいてほしい」

真剣な目で見つめられ、私の胸を温かいものが満たしていく。

……晴貴さんはこんなにも、私のことを考えてくれるんだ。

「お気持ちは嬉しいですが、そこまで甘えていいんですか。
私たちはまだ、出会ってそんなに経ってないのに」

滲んできた涙を指先で拭って誤魔化す。

「だから。
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