黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
「夏初の好きにしていいよ。
お金はあとで渡す」

「あ、いや、お金までは」

許可がもらえたのはよかったが、依頼料も兼ねているのだしお金まで負担してもらう必要はない。

「無職がなに言ってるんだ」

「うっ」

意地悪くにやりと笑った晴貴さんの言葉が私の胸に刺さり、つい押さえていた。

「いや、でも、その……」

無意味に指を突き合わせ、口の中でごにょごにょと言い訳を繰り返す。

「とやかく言わないで素直にもらっておく!」

「ううっ、……はい」

もうそれ以上はなにも言えなくて、素直に頷いた。
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