黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
携帯を取りに彼が寝室を出ていく。
ほんの僅かな間、ひとりになっただけで心細くて自分の肩を抱いていた。

「ロック、解除してもらっていいか」

戻ってきた晴貴さんから携帯を差し出され、無言でロックを解除する。

「ありがとう。
着信履歴と、メッセージの履歴も見せてもらっていいか。
もちろん、メッセージは会社とのやりとりしか見ない」

私が頷き、彼は携帯を操作しはじめた。

「一時間おきに着信、メッセージも……」

その瞬間、また携帯がメッセージの着信を告げ、身体が大きく震える。

「大丈夫、僕がもうなにもさせない」

私の耳を塞ぐように彼に抱きしめられ、少しだけ安心できた。

晴貴さんは着信履歴とメッセージの画面のスクショを撮り、自分の携帯に送っていた。

「着信拒否とブロックの設定はしたけど、たぶんまたかかってくると思う」

「……なん、で」

私から出た声は酷く掠れていたうえに、聞き取れないほど小さかった。

「着信拒否されても別の携帯からかければいいだけの問題だからな」

呆れるように晴貴さんが肩を竦める。

「……どう、して」

そこまでして、会社になんの得があるのだろう?
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