黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
すぐに意識が弾け、心地よい疲れが襲ってきた。
まだ整わぬ呼吸で、彼が出ていくのを眺める。

……今日は何回で寝かせてもらえるのかな。

明日も休みだし、朝までなんてことも考えられる。
けれど予想に反し、彼はごろりと隣に寝転んできた。

「えっ、もう終わり……?」

あまりに拍子抜けでつい、尋ねていた。

「なに?
もっとしてほしいの?」

「あっ、いや……」

にやりと意地悪く笑って聞かれ、掛けられた布団を顔まで引き上げた。

「せっかくだからさ。
夏初とゆっくり話そうと思って。
夏初、疲れるとすぐ寝ちゃうし」

晴貴さんは呆れ気味だが、あなたが体力お化けなだけです。

見上げた先はガラス張りになっており、星が降ってくるようだ。

「僕の父親は暴力を振るう人だったと話したよな」

星を見上げたまま、視線はあわせず晴貴さんが話し始める。
隣りあう手は躊躇いがちに握られた。

「僕は母を守れなかったことを後悔している」

「でも、それは晴貴さんが小さかったからで、仕方がないです」

中学のときに母親が再婚したと言っていた。
別れたのはたぶん、晴貴さんが小学生のときだ。
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